三重県伊賀市千歳226番地2
TEL:0595-22-0546
営業時間
昼:11:30〜14:30
夜:18:00〜21:00
(*夜は、金、土、日のみ)
定休日:水曜日
2018・03・19現在
Web

お彼岸の墓参りの為に伊賀に帰省した折に約10年振りに訪ねた「松尾」。三重県下における蕎麦屋の中でも知名度は群を抜き、中京方面や関西からも多くの蕎麦好きを引き付けてやまない名店です。
以前から、土・日・祝日の盛況振りは耳にしていましたが、平日はそれ程でも無いのではと高を括っていました。しかし、その想定は見事に打ち砕かれてしまいました。開店15分前に店の駐車場に到着した時には、3台位の車が止められ、玄関脇のウェイティングボードには既に4組12名の名前が書かれていました。
開店時間になると奥さんがボードに記された名前を順番に読み上げながら席に案内。厨房には見慣れたご主人の顔とよく似た顔の若者が1名いました。巷の噂では、今はお弟子さんがいなくなり忙しい中、店主1人で切り盛りをしていると聞いていました。でも、その心配は杞憂に終わった様です。
花番さんが、着席順に注文を受けて回り、厨房内にいるご主人に伝票を渡すと、奥に居る人に向かって種モノを順に読み上げていました。
待つこと暫し、そばがき、だし巻、天ぷら皿、ざるそば、天ぷらそばと順序よく供されました。先ずは、そばがきを頂きます。ねっちりとした弾力で、箸で切るには少し苦労しましたが、口に頬張るとネチっとした食感だけども、そばの香りが立って美味しかったです。次はだし巻ですが、出し汁の味がそれ程感じられず、割とあっさりとした味でした。こちらのお店では天ざるが無く、ざるそば+天ぷら皿の設定になるので、その様に注文しました。天ぷらは、「海老、茄子、南瓜、ふきのとう、かき揚げ」の5点、薄い衣で揚げられていて、カラッとした出来上がりで美味しかったです。ざるそばは、基本の並盛、700円をお願いしましたが、中盛り、200円増し、大盛り、400増しもあります。カウンター席で食べている方の大盛りを見ましたが、まるでモンブランケーキの様に山盛りになっていました。あの量だと食べている途中で蕎麦が乾いてきそうなので、私ならもう1枚、お代わりを注文しますね。蕎麦粉は自家製粉では無いので、正直云って香りは期待していませんが、のど越しの良さや腰の強さは充分に味わえました。


テーブル席は、基本的に相席にならない様に配慮している様です。席が埋まり2巡目になったお客さんが、店内の椅子に5人ほど待っていました。大忙しの繁盛店に伺うと、威勢のイイ声が厨房に響き渡り、店内も何とはなく気忙しい雰囲気になるものですが、こちらは、そんな風にはならず、和やかな雰囲気に包まれて、ゆっくりと蕎麦を楽しめました。これはご主人が持つ元来の性格もさることながら、アットホーム感を強く感じました。よく見ているとご主人や奥さんが花番さんに優しく接して姿を垣間見る機会がありました。
その訳は後に解りました。厨房の奥で頑張っていたのが、戸隠に修行に行っていた息子さん、花番さんはその修行先で見つけて来た奥さんだったんです。新しい家族に囲まれて一生懸命に頑張っている奥さんを見守る一家。その優しさが、店内に溢れているのだと感じました。蕎麦打ちの技術も、素敵な雰囲気も、若い世代に伝承されて、益々名店への階段を昇っていく事でしょう。
因みに入店から40分後にお店を出たのですが、店の外には、20名位のお客さんが、待っていました。
ざるそば 750円 天ぷらそば 1200円 そばがき 750円 だし巻 350円 天ぷら皿 750円
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