南信州の玄関口伊那路は、甲斐駒ケ岳と木曽駒ケ岳に囲まれ、暴れ天竜の異名を取る天竜川が流れる地。今でも日本の原風景が残る心癒される場所だ。
自宅のある豊橋からは茶臼山の麓を抜けて昼神温泉経由で約2時間ちょっとで辿り着く。いつもは北信や中信へ出掛けて行く中継所の様な感じだが、今日は名所として天下に名高い天竜峡の川面に映る、錦秋を見る為にやって来た。
テレビの旅番組では何度も見たことがあるが、今までは国道沿いの「天竜峡入口」の看板を横目で見ながら通過していたので実際に来るのは今日が初めて。
先ずは見物の前に腹ごしらえをする為、先日オートバイ雑誌「アウトライダーVol15」で紹介されていた「そばと家庭料理 工房 屯」に向かう。高鳥屋山の中腹にあるこの店の眼下には飯田市の町並みが広がり、遠くは南アルプスの山々を望み、抜群の眺望を誇っている。
屯へはこちらからどうぞ。


美味しい食事をいただいた後は、一路天竜峡へと車を走らせる。途中、沿道のりんご農園にりんごの品定めでもと思い立ち寄ったが、地方への発送を待つダンボール箱が山のように積み上げられていて、まさにシーズンたけなわといった様相だった。
店舗の裏側の畑ではりんご狩りが出来る様になっていたが、そこへ行く通路一帯に大量に吊るされていた市田柿の暖簾の美しさに驚いた。よく見ると、柿を吊ってある紐が、単純なたこ糸のようなものと、ナイロン紐にプラスチックのストッパーのようなものをくっつけたものと2種類あった。聞いてみると、ただの紐の方は昔からのものだが、柿に食い込んでしまい、雨が3日も降るとそこからカビが発生して傷んでしまうそうで、ナイロン紐はそれを現代風に改良したものだそうだ。下の写真は現代版の紐で吊ってある柿だが、あっちこっち向いていて、紐が食い込んでないのがわかると思う。



天竜峡に着くと、駐車場が妙にすいていて、紅葉は終わったのかなと思った。
本来ならば渓谷の中を流れる天竜川の川下りでも、と洒落込みたいところだが、生憎と風が強く吹いていたので、河原に下りて写真だけ撮った。
天竜川の水源が諏訪湖だという事は案外知られていないようだが、私も昨年「蛍の里・辰野町」に出掛けた折りに、パンフレットで始めて知った。

河原に下りる途中、すれ違った船頭さんの「乗りますか?今なら、葉っぱがハラハラ舞って綺麗ですよ。」という言葉に、やはり紅葉は遅かったことを知った。
秋の日はつるべ落としとはよく言ったもので、あっという間に日が暮れそうだったので、早めに帰路に着くことにした。
今日はこちらに向かう途中で愛車の総走行距離が「333333」の数字を刻み込んだ記念の日でもあり、いい1日だった。






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